Japanese
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特集 肺胞過換気
過換気と呼吸困難感
Hyperventilation and Breathlessness
秋山 也寸史
1
Yasushi Akiyama
1
1北海道大学医学部第一内科
1The First Department of Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.431-436
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900468
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はじめに
過換気は,代謝に比較して肺胞換気量が過剰になっている状態であり,脳炎などの神経疾患,サルチル酸中毒,肝不全,心筋梗塞などに伴う強い痛み,気管支喘息,間質性肺炎,肺血管病変などの器質的疾患あるいは強度の運動,妊娠など生理学的要因で生じるが,この他,いわゆる過換気症候群として,強い呼吸困難感と呼吸性アルカローシスによる全身症状を伴った心因性の過換気にも臨床的にしばしば遭遇する1).本稿では,呼吸調節系および呼吸困難感発生に関して略述した後,呼吸生理学的および心身医学的視点から境界領域の病態である過換気症候群,生理学的な過換気である運動時と正常妊娠中の呼吸困難感について解説する.
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