特集 ホスピタリストに必要な手技
緊急気道管理
4.挿管も換気も困難な症例に直面したら?—最終手段としての輪状甲状間膜アプローチ
木庭 茂
1
,
片岡 惇
2
Shigeru KOBA
1
,
Jun KATAOKA
2
1東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門
2練馬光が丘病院 総合救急診療科 集中治療部門
pp.393-404
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900798
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
気道確保は救急の現場では最も優先される事項であり,これができなかった場合,ヒトはものの数分で心臓が停止し,不可逆的な神経学的ダメージを残す。確実な気道確保(いわゆる気管挿管)ができないとき,最も大事な手技はマスク換気である。マスク換気は一見すると「派手さ」はないが,救急および集中治療領域では最も重要な手技といってよいだろう。ただ,そのマスク換気でさえもうまく行えなかったら,ものの数秒でSpO2は急降下し心停止が起こる。そのため気管挿管も換気も難しいケースを想定し,日頃から準備しておく必要がある。
本稿では,気管挿管も換気も困難な症例に直面した際の最終手段である輪状甲状間膜アプローチについて,日本で使用可能なデバイスの種類や実際の手技も含めて説明する。
Copyright © 2020, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.