症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 3
術中に動脈カテーテルの波形が出なくなった—モニタリングの基礎知識をもとに的確な判断を
堀 耕太郎
1
,
奥谷 龍
1
Kotaro HORI
1
,
Ryu OKUTANI
1
1大阪市立総合医療センター 麻酔科
pp.382-383
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200190
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症例
75歳の女性。身長152cm,体重50kg。第1腰椎の圧迫骨折に対し,腰椎後方固定術が予定された。既往として,狭心症に対し8年前に薬剤溶出性ステントが左冠動脈前下行枝に挿入されていたが,術前の経胸壁超音波検査では心室壁に壁運動異常asynergyはなく,心収縮能も問題なかった。冠動脈ステント留置患者のため,術中はモニタリングに5点誘導心電図と動脈カテーテルを使用して管理することとした。
手術は順調に進み,腰椎固定が終了して,ドレーンが挿入された。閉創に差し掛かり,麻酔深度を浅くしたところ,急に動脈カテーテルの波形が小さくなっていき,収縮期血圧が40mmHg台,脈圧が20mmHg程度となった。
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