扉
術中モニタリングの未来
佐々木 達也
1
1青森県立中央病院脳神経外科
pp.3-4
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203438
- 有料閲覧
- 文献概要
私が広南病院で脳神経外科医としての人生をスタートしたのは,1981年であった.「ルビーの指環」や「奥飛騨慕情」が大ヒットし,スペースシャトル「コロンビア」の打ち上げに成功した年である.当時の脳神経外科は手術用顕微鏡やCTが各施設に普及しつつある状況で,少なくとも広南病院では術中モニタリングは行われていなかった.あれから36年,現在は術中モニタリングが普及しつつある状況である.手術用顕微鏡やCTがない施設は皆無であろう.
私が最初に取り組んだモニタリングはsomatosensory evoked potential(SEP),auditory brainstem response(ABR)などであった.下肢SEPで前大脳動脈の血流不全をある程度モニタリングできるようにはなったものの,なかなか新しいモニタリングができなかった.特にvisual evoked potential(VEP)には手を焼いた.努力しても努力してもうまくいかず,たどり着いた結論は「うまく記録できればblindかどうかはわかるようだ」というものであった.その後2年間の米国留学でモニタリングからも離れた.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.