症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 2
硬膜穿刺をした—診断,その場での対処,患者への説明,合併症としての頭蓋内硬膜下血腫について
中布 龍一
1
Ryuichi NAKANUNO
1
1JA広島厚生連尾道総合病院 麻酔科
pp.266-269
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200155
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症例
38歳の女性。身長145cm,体重68kg。卵巣腫瘍に対して,開腹による卵巣腫瘍摘出術が予定された。肥満以外に術前リスクはなく,硬膜外併用全身麻酔を予定した。
T11/12から硬膜外針を刺入して,生理食塩液を用いた抵抗消失法で硬膜外腔を確認後,カテーテルを挿入した。硬膜外針を抜いて,問題なくカテーテルの留置が完了したと思ってほっと一息。ところが,シリンジで吸引テストをしてみると,抵抗消失法の際に注入した生理食塩液よりも多くの透明液が吸引されるような気がする。気を取り直して再度ゆっくり吸引をかけると,やっぱり透明液が引ける。どうしよう…。
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