特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
慢性硬膜下血腫
西島 早見
1
1徳島大学医学部第一外科
pp.413-419
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202895
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Ⅰ.はしがき
最近交通機関の発達はとみに著しいものがあり,産業,文化,経済などの向上に大恩恵を与えているが,一方交通災害も激増の一途をたどり,特に頭部外傷例は著しく増加し医家の注目を集めている実状にある.外傷による慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)は頭部外傷後硬脳膜と蜘蛛膜との間に血腫を形成し慢性の経過をもつて脳圧亢進症状を呈し時として死に至る疾患であり,頭部外傷例の増加とともに多発する傾向を示し,諸家1)−6)によつて治験例も報告されている.ここに教室における症例について報告し,考察を加えたいと思う.
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