Japanese
English
綜説
硬膜下血腫について
Subdural hematoma
鈴木 二郞
1
,
来生 徹
1
,
陳 武州
1
,
石橋 孝雄
1
Jiro SUZUKI
1
,
Toru KISUGI
1
,
Wuchou CHENG
1
,
Takao ISHIBASHI
1
1東北大学医学部 桂外科教室
1Department of Surgery. Faculty of Medicine, Tohoku University
pp.235-239
発行日 1956年4月20日
Published Date 1956/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201790
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1.緒 言
交通量の増加,自動車事故の激増等により最近頭部外傷は増加の一途をとり,尚幾多の問題を残すこの分野の対策は今後に俟つ所大である.現在の所,頭部外傷で脳症状が現われたものは絶対安静,持続的脳室ドレナーヂの他脱水療法等の対症療法しかなく,徒手傍観の他ないものが多いが,硬膜外,硬膜下血腫及び脳症状を伴なう陥凹骨折は是非手術に依らなければならず,その効果も大であり,特に硬膜外血腫や急性硬膜下血腫は間髪を入れず手術を行わなければならないものである.慢性硬膜下血腫は種々の検査を行ない得るが,神経学的症状がなく,精神症状を著明に現わしてくるものがあり,往々にして精神病と間違われ,全身衰弱著明となり,意識も溷濁し,羸痩甚しくなり,手術不能な迄に放置されるものがあるので,手術成績を向上せしめる為には早期発見,早期手術が必要である.今回は桂外科教室に於て経験した10例の亜急性及び慢性硬膜下血腫に就て症候学的に述べ,その治療に就ても言及したい.
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