徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 病態生理を中心に
脳血流量調節における過換気の意義と危険性は何か
飯田 高史
1
IIDA,Takafumi
1
1旭川医科大学 麻酔・蘇生学講座
pp.850-851
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102220
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脳障害の急性期管理では,頭蓋内圧を低下させることが重要で,そのために過換気にするとされてきた。この考えは,脳外科手術の術中管理にも応用されている。開頭術で過換気にするよう外科医から求められた経験がある読者もいるだろう。ところが,脳腫瘍手術を対象に行った多施設共同研究1)では,術中20分間過換気にした場合,脳腫脹の危険率を45%に減少させ,頭蓋内圧も平均3.7mmHg低下したが,術後経過には差がなかった。これはなぜだろう。過換気にする意味は本当にあるのだろうか。かえって,危険なのではないか。 本稿では,脳外科手術において過換気にする意味について,頭蓋内圧,脳血流量,脳血液量それぞれに焦点をあてて考えたい。
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