Japanese
English
特集 肺胞過換気
中枢性過換気
Hyperventilation:Central Neurogenic Hyperventilation
阿部 直
1
Tadashi Abe
1
1北里大学医学部内科
1Department of Medicine, School of Medicine, Kitasato University
pp.415-418
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900465
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緒言
過換気とは肺胞換気量が代謝要求を上回る状態を意味し,恒常状態下における過換気ではPaCO2が低値となる.臨床的にはPaCO2の低値をもって過換気としている.過換気の原因は,中枢性と末梢性に分けられる.末梢性の原因には,低酸素のように末梢性の化学受容器を介して間接的に呼吸中枢を刺激するもの,あるいは肺の構造的変化のように機械的受容器を介して呼吸中枢を間接的に刺激するものがある.中枢性過換気の原因には低酸素の他に精神的興奮・不安,器質的疾患,およびサリチル酸剤,プロゲステロン剤のような薬剤などがあり,これらは呼吸中枢を直接刺激する.本稿では,中枢性過換気のなかでも中枢神経の器質的疾患による過換気およびその病態を中心に解説する.薬剤については本特集号の他の解説を,また精神的興奮・不安に基づくと考えられている過換気症候群については他の文献1-4)を参照されたい.
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