臨時増刊特集 診断基準とその使い方
II.呼吸器疾患
過換気症候群
梅田 博道
1
1名古屋保健衛生大内科
pp.1756-1757
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207503
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概念
呼吸器系は情動emotionの影響をうけやすい.ちょっとした不安で胸がつまり,胸が痛む.また,喜びで胸がおどる.息を合わせるとか,呼吸が合っているとかいうことばは,こころとからだのつながりを示すものであろう.情動は自律神経の興奮(神経性調節)と内分泌腺の変化(体液性調節)をひき起こし,結果として呼吸・循環など身体面に影響がでてくる.このメカニズムが過換気症候群の基本的機構といえる.
器質的疾患がなくて,感情・情緒の変化で起こる呼吸困難,息切れは,急性にも起こるし,慢性忙も起こる.また,現れ方,症状もさまざまである.つまり,心因性の過換気による障害のなかにも多くの異なったタイプのanxiety reactionがあると考えられる.また,すべての過換気が心因性ではないし,過換気を起こしたすべてが呼吸困難に陥るわけでもない.
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