徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 生理メカニズム
脳血流の自己調節能とは何か
加藤 真也
1
,
吉谷 健司
1
,
大西 佳彦
1
Shinya KATOH
1
,
Kenji YOSHITANI
1
,
Yoshihiko OHNISHI
1
1国立循環器病研究センター病院 麻酔科
pp.964-965
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200019
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●脳血流の調節機構には何があるか
脳は多くの機能をもつ臓器である。体重の約2%しかない臓器に心拍出量の約15%もの血液が流れている。脳には脳血流を一定に維持する機構がある。その調節機能として,化学的調節と血管平滑筋の筋原性調節がある。
化学的調節では,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)によりpHが変化することで脳血流が調節される。化学的調節は脳代謝と血流のカップリングに影響を与えるとされ,脳代謝が下がれば脳細胞で産生される二酸化炭素(CO2)が減り,脳血流は減ることとなり,逆に脳代謝が上がると産生されるCO2が増えることで脳血流が増える。
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