図解病態のしくみ 肺機能の障害・3
換気量/血流量比の異常
田中 元一
1
1東京逓信病院・呼吸器科
pp.104-105
発行日 1975年1月10日
Published Date 1975/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205752
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すでに換気障害の項で述べたように,換気面で最も重要なものは,分時肺胞換気量であり,これと同様に肺循環血量のうち,肺胞においてガス交換に関与するものは,肺毛細管血量である.したがって,これら2つの量の絶対値が減少することは,当然必要なガス交換が不十分となることで重大な問題ではあるが,実際の心肺疾患においては,これら絶対量が著しく減少することよりも,2つの量の均衡を失うために,静脈血の酸素化が不十分となって,低酸素血症を起こすことが多いと考えられている.
また一方では,換気も血流も,健康人においても,肺全体としてみると必ずしも均等ではなく,疾病においては,さらにその不均等は増強されてくるのが通常である.
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