徹底分析シリーズ 産科出血は怖くない!
よきコマンダーとなるために―周囲からの信頼を得て,よいチーム作りを
佐藤 正規
1
SATO,Masaki
1
1国立成育医療研究センター 麻酔科
pp.770-775
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102199
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産科出血は妊産婦死亡の主要な原因であるが,産科危機的出血は癒着胎盤などのハイリスク症例だけでなく,合併症などのリスクがない妊婦の経腟分娩後や帝王切開術中に突如として発生する。大量出血時の初期対応は「産科危機的出血への対応ガイドライン」1)に,その後は「危機的出血への対応ガイドライン」(以下,ガイドライン)2)に従って対応する。ひとたび,危機的出血が起こると,現場の医療スタッフだけでは対応が困難であり,応援のスタッフおよび輸血部門も含めた病院全体の総力戦となる。ガイドラインでは,院内輸血体制の整備のほかに,コマンダー(総括指揮者)による指揮命令系統の確立を掲げている。しかし実際には,危機的状況で指揮命令系統を確立することはとても難しい。麻酔科医がよきコマンダーとしての役割を果たすためには,強いリーダーシップと多くのスタッフと連携するためのノンテクニカルスキルが必要である。
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