グラフ
"愛され信頼される病院"作り—新潟県立吉田病院
pp.897-902
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207002
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新潟市内から車で1時間,晴れた日には日本海に浮かぶ佐渡がよく見える弥彦と隣接し,県内では珍しく雪が少ない冬期でも交通が途絶することはほとんどないという好立地な新潟県立吉田病院はある.新潟県は岩手県に次いて16の県立病院を擁し,その各々を基幹病院,地域中核病院,地区病院,へき地病院等に性格づけし,医療の確保と県民の健康保持に取り組んているが,昭和30年,一地区病院として設けられたこの吉田病院は高等看護学校の併設,新潟市に比較的近いため医師の確保がてきたこと,国道沿いで患者の通院にも便利等々の要因で今は455床の県基幹病院に数えられるまでに成長した.このような急成長の理由としては,人口2万3千,米どころらしく水田に囲まれた純農業地帯の吉田町が町の発展のために病院を作ろうという強い姿勢を持つていたことも挙げねばならない.
しかし,このような好条件が急成長に結びつくには開設以来四半世紀を病院と共に歩んできた中畠健院長はじめ多くの職員の熱意と努力が必要であった.中畠院長は大学とある市立病院医長を経て院長職についたが,就任同時に"愛され信頼される病院"という病院の目指す方向を打ち出した.(稲刈り時期,方々で刈りとった稲わらを焼く煙が立ち,空までどんよりしてしまうという米どころらしい環境に吉田病院はある)
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