特集 ステーションを活性化させる管理者とは
チーム作りとステーション管理
杉田 美佐子
1
1神奈川県看護協会
pp.538-541
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100698
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はじめに
平成4年に老人保健法により,老人訪問看護が開始された。その後,健康保険法の改正で訪問看護ステーションとなり,妊産婦,乳幼児から高齢者まで,住み慣れた環境で医療面の支援ができる体制が整えられ,早10年が経過した。平成12年の介護保険制度開始により,医療保険でサービスを提供していた時代から,医療法人ばかりではなく,社会福祉法人や非営利法人,営利法人,有限会社など多くの民間事業者が訪問看護サービスに参入できるようになった。このことにより,組織に守られていた看護師が社会に飛び出し,大海原に帆を張った小船に乗せられたような心境を持ちながら,介護保険下での訪問看護サービスが動きだした。
介護保険導入期の混乱した殺人的忙しさを過ぎ,やっと一息ついた最近は,元気のない管理者と会う機会が多い。話題は,収入のこと,利用者の増加がないこと,訪問看護師を募集しても集まらない……と嘆くばかりである。また,訪問看護ステーションの管理者が次々に交代している話を耳にする機会も多い。新しい管理者はどうしていいか分からず,戸惑いを隠せない様子が見られることもしばしばである。
高齢化が進み,医療保険法の改正等により,病院から早期退院を迫られ,自宅で訪問看護を利用しながら在宅生活を開始する利用者も増加している。訪問看護が強く求められている現在,訪問看護師がいきいきと仕事をし,在宅サービスのリーダーとなって活躍できることを願い,今まで体験した管理者としての自分を振り返って,少しでも管理者の抱えている悩み解決の糸口になるようにいくつかのポイントを示したいと考える。
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