症例検討 肺高血圧症患者の麻酔
肺高血圧を併発しているCOPD患者の低位前方切除術―これ以上増悪させない適切な呼吸管理を
西田 賀津子
1
,
菊池 幸太郎
1
,
長櫓 巧
1
Katsuko NISHIDA
1
,
Kotaro KIKUCHI
1
,
Takumi NAGARO
1
1愛媛大学大学院医学系研究科 麻酔・周術期学
pp.490-494
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102130
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症例
75歳の男性。身長162cm,体重52kg。直腸癌に対して低位前方切除術が予定された。1日30本,50年間の喫煙歴があるが,この半年間は1日10本程度に減らし,1か月前から禁煙している。起床時の喀痰も多く,2階まで階段を上ると息切れがする。努力性肺活量は2400mL,1秒率は49%であった。20年来の高血圧があり,アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)とアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を服用している。心電図上,右心負荷と心房性期外収縮が認められる。胸部X線写真では,横隔膜の平坦化,肺血管影の減少,滴状心を認める。心エコー図検査では,左室肥大,右房と右室の拡大が認められ,推定肺動脈圧は50mmHgであった。
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