鏡視下手術 術中トラブル対処
低位前方切除術
池田 篤
1
,
佐藤 武郎
,
中村 隆俊
,
小倉 直人
,
小野里 航
,
内藤 正規
,
渡邊 昌彦
1北里大学 外科
キーワード:
下腹神経叢
,
腸間膜静脈
,
腹腔鏡法
,
下腸間膜動脈
,
外科的ステープリング
,
低位前方切除
Keyword:
Hypogastric Plexus
,
Mesenteric Veins
,
Laparoscopy
,
Surgical Stapling
,
Mesenteric Artery, Inferior
pp.39-44
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011078909
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腹腔鏡下低位前方切除術(Lap-LAR)は、大腸での腹腔鏡下手術における基本操作の集大成といえる。安全な手術の鍵は、術者のhand-eye coordination、助手とのcooperation、camerawork、laparoscopic anatomyの把握である。われわれの行っているLap-LARは、(1)内側アプローチ、(2)外側アプローチ、(3)直腸周囲の剥離、(4)直腸間膜の処理、(5)腸管の切除・吻合の5つのステップに分けられる。このように定型化された手術では、手術時間の短縮に固執することなく、術者と助手のコミュニケーションを行い、解剖や層の確認作業に十分な時間をかけることが重要である。また、各ステップにおけるピットフォールの把握とその回避、剥離や切離などの基本手技の積み重ねが、安全な手術の成功へとつながる。したがって本法の安全な普及には、手術機材を含め施設における術式の定型化と教育が重要と考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2011