特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
6.大腸・肛門手術
直腸低位前方切除術
中村 文彦
1
,
森田 隆幸
1
,
小田桐 弘毅
1
,
今 充
1
1弘前大学医学部第2外科
pp.126-130
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902461
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低位前方切除術は根治性の面においても直腸切断術に劣るものではなく,最近では下部直腸癌の80%に適応されるようになった.また骨盤内自律神経切除に起因する排尿・性機能障害,あるいは直腸切除による排便障害などが本術式に特徴的な問題であるが,癌の進行度,病変の広がりを正確に評価し,それによる適切な術式の決定,インフォームドコンセントが要求される.術前管理のポイントはせっかく温存したこれらの機能,QOLを低下させないためにも全身状態,リスクファクターを改善し,十分なcolon preparationによって術中,術後の操作,管理をスムーズに進められるようにすることである.
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