徹底分析シリーズ LMA・声門上器具
私の疑問に答えて!
いつ,どのように抜くのですか?
村島 浩二
1
,
辻本 三郎
2
Koji MURASHIMA
1
,
Saburo TSUJIMOTO
2
1新日鐵広畑病院 麻酔科
2尼崎中央病院 麻酔科
pp.800-804
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100731
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■気管チューブと同じと考えず,十分覚醒させた後に,刺激を避けて抜去
麻酔のトレーニングでは,一般的に,気管挿管の後にLMAをトレーニングするだろう。麻酔終了後に気道から抜く道具という点では,気管チューブとLMAは同じである。このため,すでに身に付けた気管チューブと同じようにLMAを抜去すればよいと考えるかもしれない。しかし,安全なLMAの抜去には気管チューブとはまったく違う点も多い。LMA抜去と気管挿管の抜管の違いから,いつ,どのように抜くのかという疑問に答えたい。
■穏やかに,痛みなく,良好な応答が可能な状態で抜去
LMAの抜去は,気管チューブの抜管に比べて簡単で,呼吸循環動態への変化が小さく,しかも患者への苦痛が少なくてすみます。そのため,患者が麻酔からある程度醒めて,自発呼吸が再開された時点で,結構気楽な気持ちでLMAを抜いてはいないでしょうか。確かに,多くの症例では大きなトラブルが発生することはありません。しかし,安易に抜去すると時に抜去後に喉頭痙攣や嘔吐,あるいは気道閉塞や呼吸抑制が起こり,慌てふためくことにもなりかねません。手術が終わり,いよいよ麻酔も終了に近づき,LMAの抜去という着陸に失敗しないように細心の注意を払っていかねばなりません。
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