徹底分析シリーズ 安全な麻酔のためのモニター指針
循環のチェック―五感情報を基本に,状況に応じて必須モニターを選択する
片山 勝之
1
Katsuyuki KATAYAMA
1
1手稲渓仁会病院 麻酔科
pp.344-347
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101795
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
『ガイトン生理学』によると,循環機能とは,「組織が必要とする栄養を提供し,老廃物を運び去り,ホルモン等を離れたところから伝搬し,結果として全身の組織環境を生存に最適とし,細胞機能を適切な状態に維持することにある」という。
周術期において,生体組織,細胞を適切な状態に維持することは,麻酔管理の最大の目標の一つである。日本麻酔科学会の「安全な麻酔のためのモニター指針」では,「循環のチェックについて:心音,動脈の触診,動脈波形または脈波の何れか一つを監視すること。心電図モニターを用いること。血圧測定を行うこと。原則として5分間隔で測定し,必要ならば頻回に測定すること。観血式血圧測定は必要に応じて行う」と簡潔に示されているのみである。実際には,酸素化モニターとして必須とされるパルスオキシメータや換気モニターとしてのカプノメータ,さらには体温測定,尿量測定も,循環のチェックに重要な役割をもつ。
Copyright © 2013, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.