徹底分析シリーズ 脳死ドナー発生!臓器摘出術をマネージメントせよ
脳死ドナー発生から臓器摘出まで―「見えない医療」から「見える医療」へ実際の経験から考える脳死下臓器提供
伊藤 洋
1
,
榊原 健介
1
,
三木 靖雄
2
Hiroshi ITO
1
,
Kensuke SAKAKIBARA
1
,
Yasuo MIKI
2
1愛知医科大学 麻酔科学講座
2愛知医科大学 救急救命科
pp.1028-1031
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101643
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平成23年12月のある日,当院の救急救命科医師から連絡が入った。
「脳死患者から移植臓器提供がありそうで,移植コーディネーターからの説明が終わり,1回目の法的脳死判定が行われる」と…。
その前月に,愛知医科大学病院における『脳死患者からの臓器摘出マニュアル』が,平成22年7月に日本臓器移植ネットワークが発表した『臓器提供施設の手順書』をもとに作られたばかりで,それまでに1度だけ委員会が開かれただけだった。約10年前と1年前に,それぞれ別々に医局関連病院で,脳死ドナーから臓器摘出が行われたという話は聞いていたが,当院では初めてだった。
それから実際の臓器摘出術までは約1日。高度救急救命センターを運営する救急救命科と中央手術部での麻酔管理をする麻酔科とで,業務が分かれている当院の特性もあるが,院内のコーディネートを含め,さまざまなことを感じた。
本稿では,その実体験から見えてきた脳死下臓器提供の実際と課題について述べる。
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