徹底分析シリーズ 麻酔科的緩和医療
コラム:コンサルテーション型 vs. 主治医型
橋口 さおり
1,2
Saori HASHIGUCHI
1,2
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
2慶應義塾大学病院腫瘍センター 緩和医療部門
pp.830-831
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101601
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日本の緩和医療は,特殊な発展を遂げてきました。
古くはホスピスが中心となって活動を展開していましたが,どこか「病と戦う医療現場から離れて静かに死を待つところ」のようなイメージがありました。
ところが,2007年に「がん対策基本法」が制定され,患者のQOL向上が求められたことで,癌患者を中心として,急速に緩和医療の整備が進められてきました。2002年に,世界保健機関(WHO)によって緩和医療が「疾患と診断された時から提供される積極的医療」と定義された頃から,多職種によるチーム医療の芽が育ち始めていましたが,「がん対策基本法」という肥料を投じられて,急に大きく伸びたようです。
しかし,政策で決められて「形」から入ったチームも多く,質までは担保できていません。では,患者や家族が必要とする緩和医療を提供できる緩和ケアチームとは,どのようなものでしょう。
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