連載 くせものキーワード 第13回
主治医
和田 忠志
1,2
1あおぞら診療所
2保健・医療・福祉のキーワード研究会
pp.492-497
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901509
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「主治医」「かかりつけ医」などの言葉は,使用する人の思い入れにより,かなり意味の異なる言葉である。また,それは,親しい人間関係や,師弟関係に似た,かけがえのない関係をあらわしうる言葉でもある。それだけ,これらの言葉には,広がりと深さがあるということであろう。また,国民の人間全体を診る医師への希求と,安全で高度な専門医療を求める気持ちの間には,前者が関係概念であるのに対し後者は技術概念であるという乖離が存在する。これらの両立がしばしば困難となる背景には,一般医療と専門医療の基盤となる技術内容が異なる現実もある。
これらの点に鑑み,本稿では,「主治医」とその関連用語につき,患者―医師の関係性ばかりでなく,その技術内容までふみこんで考えてみたいと思う。
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