症例検討 モニタリングのトラップ
―虚血ハイリスク患者の術中の心電図変化―“変化がないから一安心”は大間違い 普段のモニタリングに一工夫を
白井 ひろみ
1
,
白井 直人
1
,
足立 健彦
1
SHIRAI, Hiromi
1
,
SHIRAI, Naoto
1
,
ADACHI, Takehiko
1
1田附興風会医学研究所北野病院 麻酔科
pp.1108-1111
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101382
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
66歳の男性。身長170cm,体重68kg。右鼠径ヘルニアに対して,ヘルニア根治術が予定された。高血圧があり,入院時の血圧は146/90mmHg。1日20~30本×30年間の喫煙歴がある。術前の冠動脈CTで,左前下行枝に90%,右冠動脈に50%の狭窄が認められたが,心機能は良好であり,手術には問題がないという循環器内科医のコメントがある。硬膜外麻酔併用脊髄くも膜下麻酔(CSEA)とした。CSEA後,血圧が90/60mmHgとなった。心拍数は70bpmで,心室性二段脈となったが,3極誘導心電図の第Ⅱ誘導ではST変化を認めなかった。患者は胸部不快感を訴えた。
Copyright © 2011, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.