徹底分析シリーズ 素朴な疑問―これにて26件落着!
24件目―筋弛緩の拮抗薬はいつ投与すべきか
鈴木 孝浩
1
,
柏井 朗宏
1
,
吉田 史彦
1
SUZUKI, Takahiro
1
,
KASHIWAI, Akihiro
1
,
YOSHIDA, Fumihiko
1
1日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野
pp.356-357
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101199
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●これまではどうしてきた?
過去,筋弛緩拮抗の主役であったネオスチグミンは,神経筋接合部内に増加したアセチルコリンと競合させることによる拮抗であったため,非脱分極性筋弛緩薬濃度が高く,筋弛緩の程度があまりに強い場合,例えば尺骨神経四連刺激時に母指内転反応が一つも確認できない状況では,拮抗効果を十分に発揮できなかった。さらに,アセチルコリンにより開いた受容体イオンチャネルへ筋弛緩薬分子が嵌入する機会が増え,チャネルブロックの結果,遮断がさらに延長する可能性があった。筋弛緩モニタリング下であれば,確実な拮抗効果を得るために,図1のような指針が組まれていた1)。
筋弛緩モニターを使用できないときには,ある程度筋弛緩から回復していることの指標となる自発呼吸の発現を待って,ネオスチグミンを投与するという方法が推奨されてきた。
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