症例検討 薬物の拮抗における注意点
冠動脈疾患患者における筋弛緩薬の拮抗
大畠 博人
1
,
土肥 修司
1
Hiroto OHATA
1
,
Shuji DOHI
1
1岐阜大学大学院医学研究科 麻酔・疼痛制御学分野
pp.460-466
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100319
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症例
59歳の男性。早期胃癌に対して胃切除術が予定された。労作時狭心症と高血圧の既往がある。イソソルビドとアムロジピンを服用している。この半年間,狭心症発作はない。心筋梗塞の既往はなく,心エコー図検査でも心機能は正常であった。入院時の血圧は130/80mmHg,心拍数は76bpmであった。麻酔は,硬膜外併用全身麻酔で行った。セボフルラン,空気,酸素で麻酔維持を行い,筋弛緩薬にはベクロニウムを用いた。手術終了時,四連刺激反応で最初の2発が観察された。
経過:筋弛緩薬拮抗後に血圧が150/92mmHg,心拍数が90bpmとなり,同時にモニター心電図上,ST部分の低下を認めた。
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