症例検討 麻酔でよく用いられる薬物の副作用
筋弛緩薬拮抗時のトラブル―慎重に投与を行えば,喘息患者にも禁忌ではないバランスとタイミングを考慮した投与を
西 雅利
1
NISHI, Masatoshi
1
1石川県立中央病院 麻酔科
pp.390-393
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101208
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症例
18歳の男性。身長170cm,体重63kg。扁桃肥大に対して,扁桃摘出術が行われた。小児期に気管支喘息の既往があるが,最終発作は5年前である。冬場に風邪をひくと,気管支喘息様となることもあるが,特に薬物を服用せずにすんでいる。
プロポフォールとレミフェンタニルで導入と麻酔維持を行った。ベクロニウムで筋弛緩を得た。手術は30分で終了した。四連刺激反応で2カウントの反応があったため,ネオスチグミン2.5mgとアトロピン1.0mgを投与した。数分して,SpO2が100%から96%へと低下した。気道分泌物が多かったため,気管吸引を行った。その後,100%酸素を投与しているにもかかわらず,SpO2は90%前半から上昇しない。
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