徹底分析シリーズ 素朴な疑問―これにて26件落着!
23件目―新鮮凍結血漿は溶解してから何時間以内に使用すべきか,その理由は何か
稲葉 頌一
1
INABA, Shoichi
1
1神奈川県赤十字血液センター
pp.354-355
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101198
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●採血後,凍結までの期限
平成19年,全血献血に白血球除去フィルターによる白血球低減leukocyte reduction(LR:1bag中106個以下)処理が導入された際に,抗凝固薬もacid citrate dextrose-A(ACD-A)からpH緩衝作用の強いcitrate phosphate dextrose(CPD)に改良され,採血後凍結までの時間が6時間以内から8時間以内へと変更された。したがって現在は,採血後,8時間以内に製造所に搬入された血液のみが,直ちに遠心分離,急速凍結により新鮮凍結血漿(FFP)として製造されている。
また,200mL全血由来の1単位FFPが容量80mLから120mLへ,400mL全血由来の2単位FFPが160mLから240mLへと1.5倍容量に変更された。成分献血由来の5単位FFP(容量450mL)については,採血中の遠心分離によって白血球低減処理は実現したが,採血後,凍結までの期限は6時間とされている。成分採血では,従来通り緩衝作用の低いACD-Aが抗凝固薬として使用されているためである。
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