徹底分析シリーズ 麻酔薬の二面性に迫る!
麻酔薬の傷害作用機序:細胞内Ca2+恒常性への影響とミトコンドリア機能不全からの分析
石崎 卓
1
,
内野 博之
1
ISHIZAKI, Takashi
1
,
UCHINO, Hiroyuki
1
1東京医科大学 麻酔科学講座
pp.1182-1186
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101092
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ミトコンドリアには,細胞質Ca2+濃度の緩衝作用がある一方で,過剰なCa2+の取り込みにより,ミトコンドリア自身の機能障害を招くという二面性がある。麻酔薬はこのミトコンドリアのCa2+取り込み能(mitochondrial calcium retention capacity : CRC)に影響することが知られている1,2)。
本稿では,小胞体やミトコンドリアを中心とした細胞内Ca2+の恒常性維持のメカニズムを理解したうえで,麻酔薬による細胞障害作用について,細胞内Ca2+動態をキーワードとして,これまでの知見を整理してみたい。
Copyright © 2010, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.