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特集 加齢の克服―21世紀の課題
第2部 総説
Ⅰ.自然老化
ミトコンドリア機能と老化
Mitochondrial function and aging
松田 七美
1
,
石井 直明
2
Nanami Senoo-Matsuda
1
,
Naoaki Ishii
2
1理化学研究所脳科学総合研究センター細胞修復機構研究チーム
2東海大学医学部分子生命科学
pp.402-407
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902426
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ミトコンドリア機能の低下が老化の過程や様々な神経変性疾患の病態に関与することについて報告されているが,その分子メカニズムはほとんど不明である。ミトコンドリアは,生体内酸素の90%以上を消費して生命活動に必要なエネルギー(ATP)を供給する細胞小器官であるが,その一方で消費酸素のうちの数%を活性酸素種(ROS)として漏出する生体内における主要なROS産生源でもある。また近年,ミトコンドリアが細胞死の制御にも積極的に関与することが明らかになってきている。これらのことから,ミトコンドリア機能に異常が生じた場合には,エネルギー代謝が大きく影響を受けてATPの供給が低下するばかりではなく,細胞内に産生されるROSが増大すること,また細胞死に異常が認められることが考えられる。
本稿では,様々な線虫の老化関連遺伝子突然変異体について,われわれが見出したミトコンドリア機能欠損変異体の解析を含めて概説し,ミトコンドリア機能と酸素ストレス感受性,老化との関係について考察する。
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