徹底分析シリーズ 麻酔薬の二面性に迫る!
麻酔薬の神経毒性:発達期のGABA受容体に及ぼす影響からの分析
福田 敦夫
1
FUKUDA, Atsuo
1
1浜松医科大学医学部 生理学第一講座
pp.1176-1181
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101091
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「麻酔薬は敵か味方か」という,いささかショッキングなタイトルの特集であるが,(どんな薬物でもそうであるように)いずれにせよ両刃の剣であることは間違いないであろう。最近,幼少時におけるGABAA受容体作動薬などの麻酔薬曝露と学習障害との関係や,統合失調症・自閉症などの発達障害とGABAAシステム異常との関係が,疫学的・遺伝学的に示唆されており,小児脳発達に関与する母子要因をGABAAシステムの観点で神経科学的に研究する必要がでてきている。
そこで本稿では,麻酔薬のなかでもGABAA受容体作動薬にポイントを絞り,発達期の神経細胞のイオンホメオスタシスの特殊性からこれらの問題を掘り下げる。
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