徹底分析シリーズ 遺伝子多型と麻酔
遺伝子多型と敗血症:TNF遺伝子検査で治療方法が変わる,そんな時代に…
佐和 貞治
1
SAWA, Teiji
1
1京都府立医科大学 麻酔科学教室
pp.766-771
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100996
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高い死亡率をもっていまだ予後不良である敗血症という症候群に対して,疾患関連遺伝子研究が活発に行われるようになってきた。ゲノムデータベースに蓄えられた遺伝子多型の情報をもとに,敗血症を遺伝子関連疾患として捉えて,その発症や重症化に関連している遺伝子を同定するという試みである。遺伝的な多様性にもとづく単一もしくは複数の遺伝子変異が「敗血症に罹患しやすい体質」や,「敗血症性ショックに陥りやすい体質」となっていないかどうかを探索し,予後の評価,予防処置,選択的な治療法などを探求する試みである。
本稿では,特に敗血症とTNF-αのプロモーター領域-308位の遺伝子変異に関する知見を整理し,敗血症における遺伝子関連性研究の現状について概説する。
Copyright © 2010, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.