実験講座 灌流実験法
膵臓灌流
菅野 富夫
1
1北海道大学獣医学部生理学教室
pp.487-499
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902879
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第1章 これまでの膵臓灌流実験
膵臓灌流法の目的は,他の器官灌流の目的と同様に,錯綜した全身性の相互効果から切り離して比較的単純な条件下において,しかもできるかぎり生体内諸条件に近い状態に保ちながら,膵臓本来の生理的薬理学的機能を研究しようというところにある。膵臓は内分泌腺,外分泌腺の両器官から構成され,さらに外分泌腺は消化酵素を主に分泌すると考えられている腺細胞と,イオン,水分の分泌に関与していると考えられている介在管と導管という異なつた機能をもつ細胞群から成り立つている。したがつてこれら膵臓の機能の中のどれについて研究しようとするのかによつて実験法が異なつてくる。膵臓灌流は40年も前から行なわれているが20),ここでは最近の新しい灌流法を中心に述べてみたい。
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