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特集 第4回神経化学懇話会
神経化学の技術と方法
脳灌流の方法と問題点
Method and Problems of Brain Perfusion Experiment
川北 幸男
1
Yukio Kawakita
1
1大阪市立大学医学部精神科
1Dept. of Neuropsychiatry, Osaka city Univ. Medical School
pp.604-609
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903991
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はじめに
神経化学の領域で用いられる研究方法としての脳灌流はin situで脳循環と体循環がおのおの独立しており互に他の影響をうけない点に特徴がある。これまで灌流法による研究では脳の血流速度と脳の動・静脈血間の物質の濃度差とから脳が利用しあるいは代謝産物として排除するいろいろの物質のmetabolic rateを測定することに重点がおかれていたが最近ようやくisotopeを利用し脳のbiopsy sampleを分析することによりmetabolicbalance sheetをとろうとする試みも行われるようになつた1)2)3)4)。
以下私はA. Geigerらによつて発展された方法5)6)7)を中心として猫の脳灌流の方法とその問題点について記載するがこの方法はSchmidt8)Bouckaertら9),Heymansら10),Chuteらll)の方法にくらべて次のような特色がみられる。
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