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特集 神経科学実験マニュアル
脳組織の実験材料
脳の灌流実験
Isolated perfused brain
渡辺 英寿
1
Eiju Watanabe
1
1東京大学医学部脳神経外科
pp.322-324
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904753
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■ 概要
脳切片標本は細胞外液の組成を自由に変えることができ,また細胞活動によって遊離される物質の測定が容易で,直視下に細胞内記録を長時間安定に行えるなどの特徴から,神経薬理学的および神経生理学的な研究に多用されている。しかし切片中に保存される神経回路が限られており,多数のシナプスによって構成されているような神経回路を研究するには不適切な場合がある。そのため小動物の脊髄や脳幹などでは摘出したまま外部のメディウムからの拡散のみによって神経活動を維持する標本が使用されている。しかし脳全体となると外表からの拡散のみでは不十分なため動脈を通してメディウムを灌流する必要が生ずる。このような目的で考えられたのがこの項で扱う全脳灌流モデルであり,灌流開始後7〜8時間は神経活動を保つことができることが確認されている。
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