Japanese
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特集 輸液の臨床
術中の輸液管理
Fluid therapy during surgery
高折 益彦
1
Masuhiko TAKAORI
1
1大阪大学医学部麻酔科
pp.1651-1658
発行日 1970年11月20日
Published Date 1970/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205243
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はじめに
麻酔・手術中の輸液管理か患者の予後に重大な影響を及ぼすことは,今や外科的手術にたずさわるものであれば誰でも認めるところである.しかし,一般に輸液管理が合理的に広く行なわれているかというと必ずしもそうではなく,過去における経験やその場にたちあつた医師の直感によつて行なわれていることもかなり多い.そもそも,いかなる治療もその治療が行なわれる理論的根拠が十分でなければその目的を十分達成せしめることが困難である.とはいえ,理論的考察に長時間を要していては,臨床,とくに外科領域におけるごとく,一刻をあらそう実際の場においては,またその目的を十分ならしめない.数学の問題をとくにある程度まで公式を直接利用するように,実地診療においてもある程度の治療は"公式的"に行なわれることの方が便利である.非常に恒常性のある,かつ万能的な治療方針を定めることが大切と思われる.そこで,本稿においては,麻酔,手術中の輪液の基本的処方について検討するとともに,突発的な大出血に対する輸液の意義についても論及してみた.とくに輸液剤と代用血漿剤との使用上の差異,ならびにそれぞれの適応について細心の注意が必要であることを強調した.
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