症例検討 慢性心不全患者の麻酔
透析中の低心機能患者の低位前方切除術の麻酔管理
北口 勝康
1
Katsuyasu KITAGUCHI
1
1医真会八尾総合病院 麻酔科
pp.250-253
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100612
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症例
62歳の男性。身長160cm,体重52kg。直腸癌と診断され,低位前方切除術が予定された。2年前に息切れから,腎不全および心不全を指摘され,間もなく人工透析導入(3回/週)に至った。最近,黒色便より直腸癌が見つかった。左室駆出率30%,冠血管造影では,冠動脈狭窄はなく,心不全の原因は不明であった。腎不全と,心エコー図上の壁の輝度の上昇からアミロイドーシスなどを背景とした心筋症が疑われた。日常生活制限は高度で100mの歩行で息切れがし,階段昇降はできない。ヘモグロビン値9.6g/dL。透析中は心拍数90bpm,血圧180mmHg程度から,心拍数115bpm, 血圧120mmHgとなり,時にめまいを感じる。1回の除水量は2.4Lである。
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