症例検討 慢性心不全患者の麻酔
拡張型心筋症合併患者の全身麻酔による下肢血行再建
中村 隆治
1
Ryuji NAKAMURA
1
1広島大学病院 麻酔・疼痛治療科
pp.254-258
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100613
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症例
64歳の男性。身長168cm,体重57kg。両下肢痛を主訴に救急に受診した。閉塞性動脈硬化症と診断され,左大腿-膝窩動脈バイパス術が予定された。合併症として,拡張型心筋症,腎機能障害(Cr=1.6mg/dL)があった。2年前の冠血管造影では,有意狭窄は認められなかった。心エコー図検査では左室駆出率は25%で,壁運動のびまん性低下と,心拡大(LVDd/Ds=60/48mm)も認めた。ACE阻害薬およびβ遮断薬を服用している。NYHAクラスⅡ度であった。しかし,入院時は軽度の呼吸苦および肺うっ血を認めた。これらはカルペリチド,利尿薬,硝酸薬などの使用により徐々に改善した。患者は区域麻酔を拒否している。
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