症例検討 麻酔導入法で悩む症例
肥満フルストマック患者の緊急クリッピング術:気道確保はASAガイドライン・DASガイドラインをもとに,挿管補助器具の活用を
田口 志麻
1
,
河本 昌志
1
Shima TAGUCHI
1
,
Masashi KAWAMOTO
1
1広島大学病院 麻酔・疼痛治療科
pp.1216-1219
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100527
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症例
60歳の男性。身長160cm,体重100kg。食後に頭痛と吐き気を訴えて救急外来を受診した。意識レベルはJCS Ⅰ-2であった。血圧170/100mmHg,心拍数95回/min,SpO2 90%であった。頭部CT検査および脳血管造影にて右前交通動脈の脳動脈瘤を指摘された。既往歴に高血圧があり降圧薬を内服している。また,術前訪問による診察よりMallampati分類のⅢ度であった(頤-胸骨切痕の距離は12cmであった)。胸部X線写真では両側肺の軽度うっ血所見を認めたが,呼吸苦はなく,心電図には明らかな虚血性変化を認めなかった。開頭によるクリッピングの緊急手術が予定された。
経過:手術開始前は,FIO2 0.5, 1回換気量700mL, RR14回/minにて,血液ガスは pH 7.28,PaO270mmHg,PaCO2 53mmHg, HCO3- 21mEq/Lであった。
経過:ICU入室が予定されている。
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