徹底分析シリーズ レミフェンタニル
transitional opioidを使いこなそう! 術後鎮痛の特徴と選択方法
坪川 恒久
1
Tsunehisa TSUBOKAWA
1
1金沢大学大学院医学系研究科 麻酔・蘇生学講座
pp.864-869
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100413
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レミフェンタニルが臨床で使用できるようになり,早くも半年が過ぎようとしている(2007年6月現在)。私が所属する金沢大学の手術室でも,レミフェンタニルを用いて麻酔管理される症例が増えている。麻薬の管理を担当する手術室師長に「レミフェンタニルが導入されて何か変わりましたか?」と尋ねたところ,「フェンタニルとモルヒネの使用量がすごく増えた」との答えが返ってきた。レミフェンタニルにより手術中のフェンタニルの使用量は減ったが,術後鎮痛用のフェンタニルやモルヒネの使用量が増加し,麻薬の総使用量は以前よりずっと増えたということのようである。
レミフェンタニルは効果消失が速い薬物であり,適切な術後鎮痛を怠ると,手術室の中で患者が痛みに苦しむ姿を目にすることになる。これを経験した麻酔科医は,いやが応でも術後鎮痛に真剣に取り組まざるを得なくなる。
術後鎮痛の方法には,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),硬膜外麻酔をはじめとする神経ブロック,非麻薬性鎮痛薬,麻薬などがあり,施設ごとにいろいろと組み合わせて試されていよう。本稿では,麻薬を使った術後鎮痛への移行について,シミュレーションを用いて解説する。
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