特集 外科手術器具の理論と使用法
Ⅰ.糸
縫合糸の特徴と選択方法
吉松 和彦
1
1埼玉県済生会栗橋病院外科
キーワード:
縫合糸
,
SSI
Keyword:
縫合糸
,
SSI
pp.1103-1106
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1103
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縫合糸は外科手術に際し,文字どおり縫合(断裂した組織の修復),吻合(管腔臓器の接合),結紮(管腔の途絶や組織の固定)に用いられ,用途に応じた材質や性状の糸が使用される.一方,多くの場合,使用された縫合糸は素材により一定期間,体腔内に遺残するため,異物反応や感染にも注意が必要である.
理想的な縫合糸とは,「均一な抗張力」をもち,「均一の径」で「結びやすく」かつ「ほどけない」こと,「組織反応が小さく」,「異物反応がない」か「異物として残らない」ことがあげられる.本稿では現在使用されている縫合糸について,その特性や選択方法について概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2017