連載 ペリネータルケア・6
Transitional care—生後12時間以内の移行期のケア
竹内 徹
1
,
横尾 京子
2
1大阪府立母子保健総合医療センター
2大阪府立母子保健総合医療センター周産期2部
pp.441-444
発行日 1983年6月25日
Published Date 1983/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206246
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アプガー点数が,出生直後の児の胎外生活への適応状態を評価する方法であることは前回ですでに述べたが,その後の児の一般状態はどのように変化するのであろうか.たとえアプガー点数が良く出生した子どもでも,数10分間・数時間後に,全く予期しなかったような急変をみることがある.そのような時でも,生直後からみられる一連のvital signsおよび臨床像について,日常からよく観察して,すべての新生児にみられる特有な移行期の変化を見慣れていれば,早期に異常を発見できることはいうまでもない.
それでは,その一連の変化とはどのようなものであろうか.また最近,医療関係者のみならず発達心理学者からも注目されてきた生後30分ないし1時間にみられる"high arousalstate"(強い覚醒状態)とは,一体どのような状態や行動をいうのであろうか.今回は産科医から新生児医へと観察者が代わる間に起こる正常新生児の変化を特にとりあげてみた.日頃からこの移行期に対する関心を深め,鋭い観察眼を持つよう努力していただくのが目的である.
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