症例検討 周術期のマイナーな,しかし,もしかしたら重大なトラブル
術後の高血圧:交感神経の緊張を除くことも血圧と心拍数のコントロールには必要
渡邉 誠之
1
Seiji WATANABE
1
1久留米大学医学部 麻酔学講座
pp.80-83
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100253
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症例
52歳の男性。身長168cm,体重75kg。腰部椎間板ヘルニアに対してLove手術が行われた。10年前に高血圧を指摘された。2年前からカルシウム拮抗薬とアンギオテンシンII受容体拮抗薬を処方されていたが,服用したりしなかったりしている。入院時の血圧は166/98mmHg,心拍数は72bpmであった。
フェンタニル100μgとプロポフォール180mgで導入し,ベクロニウム9mgを投与した後に気管挿管をした。挿管直後,血圧が200/120mmHgまで上昇したが,ニカルジピン0.5mgとセボフルラン吸入で数分後には血圧は140/80mmHg程度にまで低下した。術中も血圧はやや高めであり,抜管後も収縮期血圧は190mmHg程度にまで上昇した。
術後回復室では意識清明であり,腰部に軽い痛みを訴えていた。血圧は170~180/90~100mmHg,心拍数は80~95bpmであった。
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