症例検討 周術期のマイナーな,しかし,もしかしたら重大なトラブル
術後の低血圧:周術期における抗凝固療法の中断と再開には,綿密な術前,術中,術後管理が必要
武田 昭平
1
Shohei TAKEDA
1
1川崎医科大学 麻酔・集中治療部
pp.84-87
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100254
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
74歳の男性。身長160cm,体重53kg。下血を主訴に来院し,直腸癌が発見された。直腸癌に対して低位前方切除術が硬膜外麻酔併用全身麻酔下で行われた。心房細動があり,ジゴキシン,ワルファリンを服用していた。ワルファリンは術前4日に,ジゴキシンは術前2日に中止されていた。入院時の血圧は130/76mmHg,心室心拍数は60~80bpmであった。術前検査でヘモグロビン濃度は9.5g/dl,総タンパク質6.0g/dl,BUN 24.5mg/dl,クレアチニン0.79mg/dlであった。術中の出血量は860g,MAP加赤血球濃厚液4単位が投与された。手術終了時のヘモグロビン濃度は9.8g/dlであった。
術後,血圧は80~88/56~64mmHg,心室心拍数は90~110bpmであった。
Copyright © 2007, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.