連載 初歩からのエアウェイスコープ:第4回
一歩進んだ使用方法
青山 和義
1
,
竹中 伊知郎
1
1新日鐵八幡記念病院 麻酔科
pp.892-900
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100191
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1)エアウェイスコープ+ブジーは鬼に金棒
■エアウェイスコープ困難症例:ブジー併用の適応
エアウェイスコープ(R)による気管挿管時,ほとんどの症例で声門を鮮明に観察でき,気管チューブを声門へと容易に挿入できます1,2)。しかし以下の場合は,エアウェイスコープによる挿管が困難になりえます3,4,5)。
1)声門が十分見えない場合
①声門がごくわずかしか見えない場合(図1A)
②喉頭蓋を直接的にも間接的にも挙上することができない場合(図2A)
2)声門は見えているのにチューブの誘導が困難な場合
①喉頭蓋を喉頭蓋谷で間接的に挙上している(せざるを得ない)場合(図3A)
②声門をターゲットマークに合わせることができない場合(図4A)
③チューブ先端が披裂軟骨,前交連などに衝突する場合(図5A)
④ストレート型リンフォースチューブ使用時(図6A)
⑤経鼻挿管時(後述)
通常の症例ではこれらの問題は,イントロック(R)の前後,左右への微調整,または外部からの頸部圧迫操作6)などにより容易に解決できますが,困難な時もあります。特に表1に示したような状況では,口腔・咽頭内でイントロックを前後,左右へと操作するスペースが狭く,微調整の操作が困難で,時に操作がまったくできずに,気管挿管が不可能になります。エアウェイスコープ困難症例です。
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