特別記事 阪神大震災から1年
3.一歩一歩前に進んできた産婦人科の足跡
吉永 加代子
1
1関西労災病院産婦人科
pp.317-320
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901455
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あれから1年
震災からはや1年が経つのにあのときの記憶が今も鮮明に蘇るのは地震のすごさからなのでしょう。失ったものの大きさを考えると,痛手を癒すには1年という年月では足りないのかもしれません。
私たちの勤務する関西労災病院の崩れた分娩室,病棟の窓や廊下は,迅速な対応で早急に復興しました。わが産婦人科病棟分娩室でも日常の分娩が営まれています。しかし,はたして人々の心はどうなのでしょうか。妊産婦やスタッフの精神面に依然として大きな傷を残しているのが現実です。みな心の中に,不安や痛みを抱えながら,それでもこの1年無我夢中でがんばってきました。わが産婦人科でも,被災した地域の妊産婦のケアに取り組んでまいりました。今回は,その足跡を報告させていただきます。
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