症例検討 モニタリングをめぐるトラブルとその対処法1
巻頭言
津崎 晃一
1
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
pp.275
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100055
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- 文献概要
モニタリング,すなわち継続的な生体計測における要点は,測定の対象・質やその取得(測定法),得られたデータの処理・解釈に分けられ,生体の動的安定性を維持するための基本情報として利用される。このように計測制御という立場から麻酔を振り返る場合,制御系がオープンループまたはクローズドループのいずれであろうと,個々のループを構成する諸要素の確実性や信頼性が安定した麻酔を得るために必要なことは言うまでもない。一方,モニタリングの侵襲性は測定部位と生体間の物理的な距離に依存する。一般には,この距離が縮まるほど確実な測定を得やすいが,その実施には相応のリスクを伴う。
今回のモニタリングに関する話題は,主に侵襲的手技に対するトラブルシューティングについて述べたものであるが,いずれも日常的に遭遇しうる内容であるだけに有用と考えられる。リスクを最小限としながら効用を最大限に発揮させるのは,モニタリングに止まらず,医療一般における基本姿勢である。
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