症例検討 モニタリングをめぐるトラブルとその対処法2
巻頭言
津崎 晃一
pp.361
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100075
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- 文献概要
何らかの異常に対する原因を追求し,その正常化を目的とする「トラブルシューティング」は,本来技術用語であるが,医学の一分野である医用工学あるいは臨床工学においても重要な意義を持つ。実際,生体の異常を機能的・形態的に是正する医学そのものがトラブルシューティング例の膨大な蓄積から成り立っているとも考えられる。
ところで,モニタリングにおけるトラブルは,それぞれの測定原理や機器の特徴などを熟知したうえで対処すべきであるが,「習うより,慣れろ」的な思考がはびこりやすい臨床現場では,あらかじめマニュアルを熟読するなどの手間が省略され,十分な理解が得られていない場合がある。したがって,問題解決能力を普段から鍛えておくには,本特集に示したよくあるトラブルに対するFAQ的アプローチを系統的学習の端緒にするとよいが,個々のモニタリングが「群盲象をなでる」結果を導かぬよう,これらを統合する能力を磨くことも忘れてはならないだろう。
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