連載 初歩からのファイバースコープガイド下気管挿管:第11回
ファイバー挿管で困ったら…③ 気管チューブを気管に挿入するのが困難なとき
青山 和義
1
,
竹中 伊知郎
1
1新日鐵八幡記念病院 麻酔科
pp.264-273
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100054
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前回まで,ファイバースコープを気管に挿入するのが困難なときの解決策について解説しました。今回は,ファイバー挿管時のもう一つの大きな問題点である,気管チューブを気管に挿入するのが困難なとき(図1)の対策について解説します。
やっとの思いでファイバースコープを気管内へ留置した後,スコープをガイドに,気管チューブを進めようとした際に,気管チューブをうまく進めることができずに大変歯がゆい思いをすることがあります。スコープを気管内に挿入できても,チューブを挿入できなければ,今までの苦労も水の泡。チューブ挿入に時間を要すると低酸素血症の危険性があります1,2)。頻回の,また粗暴なチューブ進行操作は喉頭組織の損傷を引き起こす可能性もあります1,2)。チューブ進行困難の原因と対処方法を知り,慌てずに対応する必要があります。Asaiらは,近年この領域に焦点をあてた有用な総説1)を発表しています。ぜひご一読をお勧めします。
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