徹底分析シリーズ 脊髄くも膜下麻酔の謎に迫る
日本で発売されている脊髄くも膜下麻酔針の構造と特性
鈴木 利保
1
Toshiyasu SUZUKI
1
1東海大学医学部外科学系診療部 麻酔科
pp.132-137
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100027
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われわれの施設では,脊髄くも膜下麻酔の適応症例は以前ほど多くはない。その要因には,患者サービスの面(術後鎮痛に利用することができない)や,麻酔コストが全身麻酔に比べて極端に安い割にリスクが多いなど,さまざまな理由がある。しかし,麻酔科医にとって,脊髄くも膜下麻酔は必要不可決な手技の一つである。
脊髄くも膜下麻酔に用いる脊髄くも膜下針には多くの種類があり,操作性がよく,硬膜穿刺後頭痛の発生を極力抑える針が開発され,臨床応用されてきた。時代の変遷とともにリユーザブルからディスポーザブルへ,cutting針からnon cutting針へ,針の太さも21ゲージから25, 26, 27ゲージへと変わりつつある。そこで本稿では,脊髄くも膜下針の開発の歴史をたどりながら,わが国で発売されている脊髄くも膜下針の構造的特徴を中心に解説する。
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